中古車販売店に展示されている車のプライスカードをよく見てみると、「修復歴あり」といった表記がされている車を見かけることがあります。
そういった車の値段は、同条件の他の車にくらべてかなり安くなっていると思います。
実は、この「修復歴あり」とプライスカードに書かれた車は、俗にいう「事故車」のことです。
過去に事故を起こしたけれども、修復して販売していますという意味で、「修復歴あり」と書かれているわけです。
そういった知識を持っていないと、その安さに惹かれてつい事故車を買ってしまったりします。
事故車といっても、素人がみたくらいではまったく分からいようにきれいに修復されていますので、プライスカードの「修復歴あり」の記載がなければまったく気がつかないかも知れません。
中古車市場で事故車扱いとなるのは、ボディの基本構造ともいうべきフレームにまで影響を及ぼすようなダメージを受けたときになります。
ドアやボンネットなどが凹んで修理をした程度であれば、まず事故車扱いになることはありません。
事故車がなぜ格安で販売されているのかといいますと、見た目はきれいに修復してあったとしても、フレームにまで損傷を受けてしまった影響で、走行性能に問題が出る場合も少なくないからです。
ハンドルが取られたりぶれたりという症状が出るときもあれば、コーナリング中におかしな挙動を示すようなこともあるようです。
たとえば、人間が怪我をした場合でも、手や足を打撲した程度であれば特に問題になることはありません。
しかし、背骨や脊髄に損傷を受けたりすると、体に麻痺が生じたり後遺症が出たりすることがあります。
事故車についても、まったくそれと同じことが言えるわけです。
中古車市場において、事故車の評価が非常に低くなるということは、当然ながら車を売る場合にも、事故車であると判断された場合には、査定額は大幅に低くなってしまいます。
自分が過去に事故を起こしたことを隠していても、査定のプロは簡単に見破ってしまいます。
買取業者とのトラブルを避けるためにも、過去の事故歴を隠して嘘の申告をするなどということは絶対にしないようにしましょう。